ヘルタースケルター スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
プライムで観ました。低評価なレビューが多いですが、テーマをよく掴んだ作品だと思います。中身がないとか意味がわからないとかありますが、そもそものテーマはうつろいゆく曖昧で不確かな流行や価値観や失われ行く美なのだから、からっぽな印象で良いのだと思います。イミテーションの世界を、よく表現されていると思います。映画通のオジサマ方には分からない世界であって当然だと思います。はいて捨てられるkawaiiの世界です。蜷川実花こそ、作り物、流行りものの女の子を作り上げてきた側ですから、それがあっけなく滅び去ることも数々見てきたと思うのです。女子高生達の何を言ってるか分からないモブもあれでいいんです。よく分かんないのにkawaii騒ぎ立てる世界なんです。そしてすぐ忘れる。内容はないのです。その象徴としての浜崎あゆみの曲‼よくオッケーしたなと思いますね。まさに頂点まで持て囃されてあっけなく使い捨てられた人です。最高に可愛くて大好きなものがダサくなってしまう哀しみ。少しでもきれいになりたいという女の欲望。薄汚いものをキラキラした映像に散りばめるのはさすがだと思います。どちらかというと、蜷川幸雄さんの蛇とピアスのほうが無理があったなと感じますが。あれこそ若者を切り取ったテーマですから、リアル世代に遠い監督だと肩透かしでしたね。そして何より、沢尻エリカの演技力、作品愛がよく伝わる素晴らしいものでした。若手女優でりりこができる人は彼女以外いませんね。原作のりりこをよく理解しての演技だと思いました。もちろん原作が1番だとしても、日本の女の子の作り物崇拝と絡めた素晴らしい表現だと思います。さくらんよりもこちらのほうが本職と関わるからかずっといいです。監督の持ち味が出ています。実在のファッション業界が全面協力なんて、小気味いいじゃないですか‼レビューで誤魔化されずに、まずはご覧になってはいかがでしょうか。 ヘルタースケルター スペシャル・エディション(2枚組) [DVD] 関連情報
ヘルタースケルター スペシャル・エディション(2枚組) [Blu-ray]
岡崎京子さんの原作の中から、おそらくは監督が理解出来なかったものはごっそっりと削られている。なので、りりこが消費社会に食い殺された可哀想な女の子になってしまった。岡崎版のヘルタースケルターでは、りりこは自分が消耗品であることを自覚しつつ、自分を消費し続けるなにかと戦い続ける女の子だった。ゆえに登場人物の中では彼女を唯一正しく理解していた麻田はりりこをタイガーリリーと呼ぶ。タイガーリリーは童話ピーターパンの中で、自分の意思を貫き通す強いインディアンの娘だ。麻田のつけた徒名が示すように、岡崎京子さんは原作の中で欲望の装置として消費されるりりこを否定しない。欲望を肯定し、無限に消費し続けるだけの社会にさえ、最早否定的な眼差しを向けない。まるで、それがなんだっていうのよ、と言っているように。どれほど欲望が世界を食い荒らし、りりこのような存在が右から左に消耗されて行こうとも、それでもりりこだって生きることをやめるわけにはいかないのだと言うように。そうしてそれは、岡崎版のへルタースケルターにとっては重要なテーマではなかったか。この映画版は、物語として一応の破綻は免れている。ただ原作の中から、現代の我々が何を消費しているか、消費される側の葛藤を通して描き出したところで映画は終わってしまっている。それは少し残念なことのように思えるのだ。蛇足だとは思いますが、物語中、麻田が語る「15分後には忘れてしまう」と言うセリフの15分は、「誰でも15分は有名になれる」と言うアンディ・ウォーホルの言葉が念頭にあるのだろうし、タイガーリリーと言う徒名のつけかたにせよ、麻田はインテリとして描かれているはずで、その辺、つまり麻田というキャラクターが担当していた物語の哲学的な面をざっくり削ってしまったのも残念ではありました。麻田とりりこの夢の中の会話とかね。ひどく表層的な物になってしまっている……。 ヘルタースケルター スペシャル・エディション(2枚組) [Blu-ray] 関連情報
私の人生と比べると数倍ドラマスティックな半生が綴られており一気に読みあげました。彼女は、社会に立ち向かっていく強い意志と、その反面不器用とも言える精神的な弱さの両極端で揺れ動いている人なんだろうなと感じました。ここまで公開していいのかと思うほど、プライベートをさらけだしています。母親の死、病との闘いのページには、涙がこぼれました。そして、今生きていることについて強く考えさせられました。この本に出会えてよかった。 Helter Skelter 関連情報
リリコの気持ちが少しわかる気がします。作り物の綺麗なものが崩れていく恐怖。私は、整形はしていないですけど、20歳ころからシミやそばかすをレーザーで取り、何万円もする化粧品を使い、歯はオールセラミックで歯並びも治して、つねにダイエットして。。。。時には吐いたりしていました。綺麗とか可愛いと褒められても、所詮そう見えるように取り繕っているだけで全然天然じゃない。シミが出来るのが怖いから海なんてもちろん、天気の良い日に外にでるのも嫌。日々すぎる時間が怖くって整形も考えて。綺麗になりたいってもう、どこまでも無制限なんですよね。みんなに褒められても自分のアラを探してしまう。自分をつくる前と後の周りの対応の違いを知っているからこそ、老いたり、醜くなるのが本当に怖くなるんだと思う。リリコのやけっぱち感や、何を求めて生きているのかわからなくなる所、共感してしまいました。 ヘルタースケルター (Feelコミックス) 関連情報
事件の検察官ヴィンセントブリオシが後に出した本を下敷きにしてドキュメンタリータッチでマンソンファミリーとシャロンテート事件を再現した映画作られたのが76年のまだ記憶が生々しい頃ということで実際の雰囲気はこんな感じなのだろうなという感じはよく出ている法廷での証言と実際の事件を交互に進行させるよくある手法で思ったよりまじめに作られているので映画としてはかったるいエロやグロも思ったよりかなり控えめ 関連情報