遠藤周作 ランキング!

遠藤周作 沈黙 (新潮文庫)

この作品は日本のキリスト教史とキリスト教徒の苦難を伝えるためと、棄教した神父の名誉回復のために書かれたのだと思う。遠藤周作は弱者の視点を作品のテーマにすることが多い。神が沈黙を守っているのはなぜかは多分各人で考える必要がある。主人公ロドリゴも自分で考えて、物語終盤までの苦難は「あるもの」のためだったんだと思い至っている。この作品とともに遠藤周作が自身の棺に入れるように言い残した『深い河』の中で大津が言ったように、神とは「働き」(目に見えにくい作用)であり、日常的常識に反する奇跡をもたらす存在ではないようだから、なぜ神が沈黙しているのかと思わざるを得ない状況は誰にでもあると思う。それならば、やはり各人がそれについて考えて答えを見つけないといけない。多分遠藤周作を含む他人から「こういう理由ですよ」と言われて納得できるものは得られないだろう。神についてのこの考え方は唯一絶対神教の本来のキリスト教とは相容れないものであり、多分に(「日本化」したキリスト教徒である)遠藤周作的な示唆だと思う。 沈黙 (新潮文庫) 関連情報

遠藤周作 愛する [VHS]

わたしはレンタルビデオ店でビデオのパッケージを見るまで、映画「愛する」の存在を知らなかった。「全国でロングランヒット」と書かれてあったが、私は知らなかった。 あるキリスト教の教会の掲示板に、渡瀬恒彦主演の「親分はイエス様」という、凄い題名の映画のポスターが張ってあったのを見たことがある。「愛する」も「親分はイエス様」もキリスト教の信者向けに作られた映画であるのだろう。                        そんな「愛する」をクリスチャンではない私が観て抱いた感想は、不覚にも涙を流してしまったくらいに、感動した。信仰を持たない私が感銘を受けた理由は何なのであるか、正直に申し上げれば、私にも判らない。       ハンセン氏病が主題である映画といえば、みなさんご存知の「砂の器」がある。「砂の器」は新劇の故加藤嘉、新国劇の緒方拳がクライマックスの場面で、泣き叫び、観客を涙に誘う仕組みになっていた。            「愛する」にも、主演の渡部篤郎、酒井美紀が号泣する場面はある。ただ単に私も涙に誘われて、涙しただけなのか。私はキリスト教の「愛」が今一つ良く判らないでいる日本人の一人である。                 信者ではない。出演者の演技に感銘を受けたのでもない。熊井啓の映画のファンでもない。ストーリ自体にも、率直に申し上げれば、空々しさを感じてしまった程である。                         多分死ぬまで判らないような予感がする。それでも良いと、私は考えている。 愛する [VHS] 関連情報

遠藤周作 深い河 [VHS]

熊井啓と三船が組んだ最後の一作。三船は頭の病が進行し、半ば朦朧としていたという。撮影もしばしば中断したらしい。しかしである、画面に姿を見せる三船からはそんな雰囲気は微塵も感じられない。さすがである。出番はそんなに多くないが、花火をバックに登場するシーンなどは夢のような美しさである。痩せた三船に往年の迫力はない。それでも、沼田耀一に日本酒の盃を投げつけるシーンは、ハッとする凄みがあった。インドロケも美しかったが、自分が印象に残る名場面は、やはり三船の勇姿である。早くDVD出してほしい。 深い河 [VHS] 関連情報

遠藤周作 愛する [VHS]

つまらないなどと言うレビューがありましたが、素人の言うことは聞き流すとして。先ずキャスティングが良い。酒井君のその後の活躍を暗示しています。また、作品がタイムリー。ハンセン氏病訴訟を暗示するかのようです。原作を思わず読み返したくなったのは、私だけではないでしょう。以上のように、玄人向けの渋い一品です。この作品を理解できないようでは………。 愛する [VHS] 関連情報

遠藤周作 あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション 真夜中の招待状 [Blu-ray]

1981年公開。若き日の小林麻美(当時28歳)の美貌を記録した点では真に貴重な映画。瑞々しい水着姿やヌードまで披露している。ファンならば角川映画版『野獣死すべし』とともに数少ない彼女の出演作として必見。ただし物語は心理スリラー風の冒頭から一転し異様な展開を見せ、唖然呆然必至、バッドテイストの極みと云うべき結末が待ち受ける。題名から洒落たサスペンスや恋愛物を想像すると手厳しく裏切られる事になるので、未見の方には強く警告しておきたい。ある意味『砂の器』や『震える舌』の野村芳太郎監督作品らしい内容ではあるが。 あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション 真夜中の招待状 [Blu-ray] 関連情報




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