吉川満子 ランキング!

吉川満子 大人の見る繪本 生れてはみたけれど [DVD]

小津監督の32年制作の完全なサイレント映画。一部意味をつかみにくい場面があるのは仕方がない。腕白兄弟がちょっぴり大人の世界の宮仕えの現実を知る、という物語。即ち、自分達兄弟の方が強い子供の親に対して、普段は自分達に厳しい父親が、その子供の親に対して卑屈な態度をとることが、兄弟には理解できない。そして、すねて学校をさぼったり、親と喧嘩したり。しかし、父親は家では口にできない宮仕えの苦労があるのであり、兄弟に対して厳しいのは、自分のような苦労を味わないですむように偉くなってほしい、と期待をかけるから。当たり前のことを当たり前に撮っただけの映画とも言える(「大人の観る繪本」にはそういう意味が込められているのではないだろうか)が、子供の寝顔を見る父親の姿、父親と子供たちの緩衝材的な存在であり、家事をてきぱきこなす母親の姿、そしてラストに子供が父親にかける言葉に温かいものを感じる。現代に通じる、約80年前の郊外に住む核家族・サラリーマンの生活の祖型がこの映画にはある。 大人の見る繪本 生れてはみたけれど [DVD] 関連情報

吉川満子 あの頃映画 松竹DVDコレクション 「大人の見る繪本 生れてはみたけれど」

1932年作。子供の視線から大人の不可解な世界を描く。不条理と言っても差し支えないだろう。決して難しく表すことはなく、あくまでも子供の世界観を外さない。徹底している。キネ旬で一位に選出されているものの、相変わらず不入り。庶民の娯楽は勿論映画。当時客が入るのはチャンバラ活劇かお涙もの。当作前後の年の小津映画は評論家受けはしても、暗雲さが漂う。公開を延期されてもしかたなかったと言える。時勢が変わった今日観ると、胸にツンツンと響く。また、金持ちを描いてはいるが、戦後の独立プロ作品のような思想的でないのもいい。ほのぼのと我が子供時代を思い出させる秀作だ。出演している子供達も突貫、菅原、加藤、葉山、小藤田、野村・・・勢ぞろい。小藤田さんについては後年、木下監督作「カルメン故郷に帰る」で見て驚いた。ファンタジー作家小津の面目躍如というところだろう。 あの頃映画 松竹DVDコレクション 「大人の見る繪本 生れてはみたけれど」 関連情報

吉川満子 女医絹代先生 [VHS]

野村浩将のなかなか面白い作品です。フィルムセンターで見て、気に入ったのでビデオを購入しました。配達票に「ビデオ 女医絹代先生」と商品名がしっかり書かれていたので、ことによると配達の人にHビデオと勘違いされたかもしれません。浩将といえば「愛染かつら」「人妻椿」ばかりが取り上げられますが、レビューを書いているうちに、「絹代の初恋」や与太者シリーズ(特に水久保澄子嬢の可憐さが堪能できる「女学生と与太者」はおススメです)など、意外と佳作があることに気づきました。 女医絹代先生 [VHS] 関連情報

吉川満子

野村浩将のなかなか面白い作品です。フィルムセンターで見て、気に入ったのでビデオを購入しました。配達票に「ビデオ 女医絹代先生」と商品名がしっかり書かれていたので、ことによると配達の人にHビデオと勘違いされたかもしれません。浩将といえば「愛染かつら」「人妻椿」ばかりが取り上げられますが、レビューを書いているうちに、「絹代の初恋」や与太者シリーズ(特に水久保澄子嬢の可憐さが堪能できる「女学生と与太者」はおススメです)など、意外と佳作があることに気づきました。 関連情報




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