マンガ人物史 ランキング!

マンガ人物史 エリザベス女王―イギリスのはん栄をきずいた大女王 (小学館版 学習まんが人物館)

 一般的に知られているエリザベス一世像を再描した感じである。物語としてはおもしろい。ただ…監修に専門家である神奈川大学の石井美樹子氏があたっており、解説も担当していることを踏まえると、エリザベスの陰の部分についての言及、当時の時代背景と政治情勢、価値観についての補足的解説がもう少しあってもよかったように思う。  具体的には、結婚はしなかったが愛人が幾人もいた(しかもその何人かは諸事情により処刑されている)ことやカトリックを迫害したことは言わなかったり、メアリー・スチュワートとの複雑な関係を説明することなく単なる悪役にしたり、といった部分に違和感を持った。。 もちろん、子供向けの漫画なので、限界はあるだろう。でも、ヨーロッパでは歴史教育への関心が高くヨーロッパ史の教科書が民間で編纂され話題をよぶなど、各国史からヨーロッパ史へ、世界史と歴史観の広がりが見られる。エリザベス女王に対する評価も、もっと多角的なものであっていいだろうし、少なくとも、そのあたりを解説で補足してほしかった。  エリザベス女王―イギリスのはん栄をきずいた大女王 (小学館版 学習まんが人物館) 関連情報

マンガ人物史 ダイアナ―恵まれない人びとに手をさしのべたプリンセス (小学館版 学習まんが人物館)

1997年の夏の終わりごろもたらされたダイアナ妃の、あまりに突然の訃報。この訃報を世界が悲しみ、世界が彼女の死を悼んだことは今なお記憶に新しい。私もテレビのニュース速報で大いに驚き「惜しい方を亡くした…」と思ったものだがこの一冊にその思いを新たにした。ダイアナ自身は幼少期も結婚後も家庭に恵まれなかったが、それで世をすねるのではなく自分が愛されたかった分たくさん人を愛してあげたいと願える人間性の豊かさ。ヴォランティアや地雷除去という目標のためなら、何をやっても人の注目を集めてしまう悩みをも逆に利用してしまう行動力。そんなダイアナの魅力がいちかわのりの優雅で表現力豊かなまんがから十二分に伝わって来る。姉の拒食症、ダイアナの過食症や自殺未遂といった深刻なエピソードを児童書でもさらりと表現できるようになったのは、心の病にわずかながらも理解の進んだ現代という時代のなせる業だろう。そういう意味では今の時代だから描ける本だと思う。 ダイアナ―恵まれない人びとに手をさしのべたプリンセス (小学館版 学習まんが人物館) 関連情報




Loading...


ここを友達に教える