僕もたまに見るブログで「のぼうの城」が面白いと書いてあったので最初は購入するつもりでしたがそちらのレビューで「水の城」の方が面白いとあったのでこちらにしましたが、結果は当たりでした。感情移入できそうな登場人物の描写と、どんどん読ませる話の展開のうまさもあり一気に読んでしまいました。ただ大昔の人が今風な考え方や会話をするのかなと、ちょっと不自然に思う所が少しありましたが時代劇や大河ドラマ同様、現代人に抵抗なく読ませるためにわざとそういう描き方をしているのかなと思ってからは余計な事は考えず、話の内容だけ追いました。星5にしなかったのは、結構面白かったのですが中盤までわりと緻密に描かれていたのに後半以降特に小田原城開城からの強引とも言えるまとめ的な内容がちょっと期待はずれだった為です。でも久しぶりに一気に読ませる本に出会えて良かったと思います。 水の城―いまだ落城せず 新装版 (祥伝社文庫) 関連情報
天下統一を目前にした秀吉が、北条の本拠小田原城を攻めた際の、北条側の支城「忍城」の攻防戦を描いた歴史小説です。寄せての主将は石田三成、籠城側は主の留守を守る城代の成田長親。成田長親の脱力系のキャラクターがとてもユニークです。最近話題の「のぼうの城」と同じ出来事を描いた本です。「のぼう城」では長親が熱弁をふるったりしますが、本書では終始脱力系のキャラのままその強靭さを発揮します。「やるだけやって、後は野となれ」と投げやり?とも聞こえる姿勢を貫き、「押してくれば引いてしまう。敵が引けば押してゆく。」「器にしたがう水」のような籠城戦は、読んでいて面白いことこの上ありません。武勇に優れ、秀吉に目をつけられるほどの美貌でもあった甲斐姫、名も無き百姓、町人、侍たちと成田長親らの「野放図で破廉恥だが、どこか豊かさを感じさせる物語」です。 水の城――いまだ落城せず (祥伝社文庫) 関連情報