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川島のりかず フランケンシュタインの男―SFミステリー (ヒット・コミックス)

「あの充実したぼくは・・・・・・ どこにいるんだ・・・・・・ 早く見つけなくちゃ ぼくは滅んでしまう」ひばり書房から1986年11月に出された川島のりかずの代表作にして、80年代のホラー漫画を代表する傑作。『中学生殺人事件』『首を切られたいじめっ子』『母さんが抱いた生首』などと同じで、入手難度の高い一冊。他の作品と比べても一コマの描きこみや風景描写が多く、作者の思い入れが強いことがうかがえる。これまで子供向けを意識して描いていた作風が86年9月の『ちぎれた首を抱く女』やこの作品から変わっていき、大人を主人公に据えて複雑な愛憎やコンプレックスや社会との摩擦の中で恐怖を描き出すようになる。あらすじはざっくりいうと、敬愛していた女社長の死後に顔の見えない少女の幽霊を見るようになった主人公が、治療の末に自ら封印していた記憶を取り戻して歓喜の雄叫びをあげる話。中盤の幼少時の甘い思い出から後半の自我崩壊に至るまで、一気にノンストップでカタルシスへと突き進む。読み終えた時、あなたは間違いなく布団の中でもお風呂の中でもフランケンコールが頭から離れなくなっている。ディティールを知るよりまず読んでほしい。小難しい話は2.3回読み返してからするのがちょうどいい。中古市場で2015年1月現在の相場はおおよそ8000-15000円。なぜこんなに高いかというと、絶版というのもあるが多くの人がこの話の価値を認めているからだ。 フランケンシュタインの男―SFミステリー (ヒット・コミックス) 関連情報




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