行動経済学入門 (日経文庫)

　本著は、2002年にノーベル経済学賞を受賞したバーノン・スミスとダニエル・カーネマンらの研究分野である行動経済学あるいは経済心理学についての入門書である。著者は、役所に勤めているようですが、これだけのものを書くにはかなりの労力と時間を要したことでしょう。　これまでの経済学の前提とする人間像が、超合理的、超自制的、超利己的であるという仮定をおいていたのに対し、行動経済学は、情報選択の設定や意志決定が拙速でもあるし、それほど計算高いとも思われない行動もする現実的な人間像を対象にする。さまざまな認知や心理の研究成果を援用することで、現実的に発生した経済現象を包括的に説明可能にしている。第6章の「時間を通じた行動を現実的に捉える試み」は、私たちの移ろいというもろさをうまく（妥当性）説明している。 丁寧な装幀で美しい本。参考文献あり。索引としおり紐はなかった。 行動経済学入門 (日経文庫) 関連情報

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