タンク・タンクロー (1970年)

父へのプレゼントとして購入しました。喜んでもらえました。もっとボリュームが欲しかった。 タンク・タンクロー (1970年) 関連情報

タンク・タンクロー

子供の頃、アニメや漫画に夢中でした。父親に「お父ちゃんの頃は、どんな漫画があったの？」と聞くと、父は「タンクタンクローといってな、丸い身体の中から、色んな武器を出すんだ」と、とても懐かしそうに話してくれました。子供心にタンクローのことをあれこれ想像し、一度読んでみたいとずっと思っていました。大人になり、そんなこともすっかり忘れていたのですが、ふと、この本を見つけ、父との会話を思い出しました。早速読んでみると、父が話してくれたとおりのお話が、綺麗なカラーで描かれていました。読みすすめるうち、少年だった父がこの漫画を読む姿を思い描いておりました。その頃の父は将来にどんな夢を抱いていたんだろうか。この漫画に内包されている未来と、今の日本の姿は少し違うけれど、父は、その後の人生をどう思っていたのだろうか。僕や兄や母と過ごした時間は、父の中の少年にとって輝かしいものだったろうか。僕も当時の父の歳を超え、１０年以上前に逝った父にも聞くことはできないけれど、この漫画を夢中で読んでいる少年の笑顔は脳裏にありありと浮かんできました。 タンク・タンクロー 関連情報

清水正（文芸評論家。日本大学芸術学部教授、日本大学芸術学部図書館長、「D文学通信（Д文学通信）」編集発行人。）の講演、特別講座 ...