アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン ランキング!

アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン コラプス

 このドラマティックな1stアルバムのオリジナル・アナログ盤は、1980年、ノイエ・ドイッチェ・ヴェレの名門Zick Zackレーベルからリリース。 1曲目「Tanz Debil」を初めて聴いた時の衝撃は、決して忘れられず、セックス・ピストルズ(パンクってR&Rを服飾ビジネスと絡めた別な見せ方で、下手クソに演る事なのかというくらいにしか思いませんでした)の比ではなかった。 当時、個人的に遣る事為す事、悉く上手くいかなくて、唯一の気晴らしは、輸入盤店を巡り、日本で発刊される各音楽専門誌に掲載される前に、変なレコードを見つける事。 インダストリアル、ノイズの先駆者としてイギリスには、スロッビング・グリッスル、キャバレー・ヴォルテール等はいたものの、遠く離れたドイツ(第二次世界大戦において、日本と同じ敗戦国。ドイツは第一次世界大戦でも敗けているが)で、こんなに鬱屈し、これ程までに怒りに満ちた音楽表現=行動をしているお兄さんたちがいたのか、と、感動さえしてしまった。 今、草食系男子(あまり根拠があるとは思えないが、二極化しているのは事実っぽい)とか言われ、男が創る音楽は優しいものばかりで、溜め込んだ怒りを沸騰するように表現するミュージシャンは、あまりいなくなっちゃったからなあ。 でも、竹原ピストルは、大好きだけど。 ノイのクラウス・ディンガーによる8つ打ちバスドラ、ドイツ・ハンマー・ビートの進化系(単なる歴史的経過?)とも言うべき、ドイツ鉄拳ビート(阿木譲さんが、命名者だっけ?)が炸裂! 実際に削岩機(2「Steh Auf Berlin」で使用?)や電動ノコギリをも、楽器として機能させているという噂も瞬く間に拡がり、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンは、世界中(の各国の一部?)に知られる存在に。 凶暴、かつ悲痛な破壊衝動、神経組織や肉塊と各楽器が血流を通して直結したようなサウンドは、大友克洋の『AKIRA』で、腕を失い金属の義手をつけた鉄男が、自己を抑制できず、限りなく増殖、肥大化してゆく様を、想起させもする。 しかし、個人的には、2曲目まで。 ボーナス・トラックも含め、残り12曲は、今聴いても、様々な実験を積極的に行なっているにも拘わらず、次第に沈潜してゆくような印象しか持てない。 続く2枚、『Zeichnungen des Patienten O. T. 』、『Halber Mensch』も、リアル・タイムで、即買い。 しかし、コンセプト、歌詞、サウンドは、次第に深くはなってゆくのだが、衝撃度は少しずつ減退していったような気が。 リーダーのブリクサ・バーゲルトは、意外と知的で、考え込むタイプらしく、既に、このアルバムで、混迷の沼にズブズブと、はまってゆくようなのだ。 ブリクサの三つ歳上、ジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティス(23歳で縊死)みたいになるなよと祈っていたが、後に、ニック・ケイヴという盟友と行動を共にする事となり、今も現役だそうで、嬉しく思っております。 コラプス 関連情報

アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン リスン・ウィズ・ペイン [DVD]

ノイバウテンというバンドが歩んできた軌跡や彼らの創造性が、ノイバウテンを知らない方には分かりやすく、すでに知っている方やファンの方には改めて頷けるように描かれている、良質なドキュメンタリー作品だと思います。価格が少々高いのが、珠に傷か。 リスン・ウィズ・ペイン [DVD] 関連情報

アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン ハルバー・メンシュ(半分人間)

既存の楽器を使わないバンドとして有名なノイバウテン。自作のメタルパーカッションから、エアコンのダクトから、電気ドリルから、動物の内臓をいじった音から、音楽を作り出す。こういった特殊なスタイル、ともすれば音響、現代音楽とも取れるような方法を用いるバンドは、音楽というよりは、音の塊といった印象を受けることがあるが、ノイバウテンはそうじゃない。確かに、既存の楽器とは違う音を出しているが、それがしっかりと『音楽』してるのだ。もちろん、ポップなわけはないけれど。ノイズ、インダストリアルというにはあまりに生々しく、リリカルで魂の篭った音。 ハルバー・メンシュ(半分人間) 関連情報

アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン アレス・ヴィーダー・オッフェン(紙ジャケット仕様)

最近の彼らは、デビュー当時のジャンクミュージックとはかなりかけ離れた音楽をやっており、まぁそれはそれで良い出来ではあるんだが、やっぱいつかはまたドラム缶をガンガンやるんだろうと勝手に思っていた。だからブリクサが「自分の音楽を突き詰めたい」とバッドシーズを抜けた時は、成程、やっぱオッサンになったニックの音楽とは違う方向(初期のノイバウテン)に行きたいんだと、これまた勝手に想像してしまったわけだ。しかし、ニックケイブが"DIG!!! LAZARUS DIG!!!"をリリースした今、そんな事は無いだろうがまさかここんトコのニックケイブの作品はブリクサによって舵を切られてたのか?と、疑問に思ったって人がいるんじゃなかろうか?つまり、それ程この作品は前作までのニックケイブと同じベクトルを向いており、ニックケイブの新作と言っても遜色ない曲調なのである。じゃぁ突き詰めたい自分の音楽って何だったの?って思った訳なんだが、内省性と静寂が堪え切れない程の緊張感を生み、ジャンクの激情を遙かに超えた本作を聞くと、ドラム缶叩かなくてもこんな方法でやれるんだよ、ってなブリクサの勝ち誇った笑みが見えてきそうで、何と無く成程ねと思ってしまうのである。 アレス・ヴィーダー・オッフェン(紙ジャケット仕様) 関連情報




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